遺伝子が枯渇している。
心が豊かじゃないからだ。溢れる情報、何が正しくて、何が必要で、何を欲しているかも分からないままに流れるこの日常が、私の心を蝕んだ。いつしか無表情になり、感情の表現は愚か、休日の過ごし方さえ分からない。
このまま一生を、枯れた心で過ごしていくのだろうか。いつか切り取られる、あの街路樹のように。
私がそれを望んでいるのであれば、いくらか許すこともできただろう。
許すことさえできないのは、なぜか。
分かっている。
何もかも揃っている世の中なのに、それらを手にすることができないこの日常のせいだ。
望むことすらせず、ありありとこの怠惰な日常を見送っている私自身に腹が立っているのだ。
私は豊かに生きたいはずだ。心枯れたまま、流れる日常に流されるまま、生きていると言えるのだろうか。
疑問は尽きない。尽きてはいけない。ならば、足りないものは何だろうか? 金?—ちがう。
それは日々に感謝する心、日常をほんの少しだけ彩り、リッチにしてくれる”何か”
少しの彩りが、遺伝子(Gene)を潤す。日常を豊かにし生きている、という実感を与えてくれる。
ならば手に入れよう。ここでなら、その”何か”を手に入れることができる。
私はそれを独占したくない。
より多くの人々へ、私(ジン・リッチ)がGene-richを届けるのだ。
先は長い、歩いていこう。